フクロユキノシタ (Cephalotus follicularis)栽培への道 : 救仁郷さんのあやしげな世界 inserted by FC2 system


フクロユキノシタ (  Cephalotus follicularis  )

学  名: Cephalotus follicularis
命 名 等: *****
和 名 等: フクロユキノシタ
分  布: オーストラリア
栽 培 法: *****
栽培難度: ★★★☆☆
増 殖 法: 葉挿し・株分け
特記事項: *****


 あやしいコラム

セファロタス

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セファロタスの花

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ユキノシタの花
◇ 和名の不可思議 ◇
 
オーストラリアに固有の1属1種の食虫植物で、ネペンテスの小型版のような独特のフォルムは多くの食虫栽培家に愛されています。

在来系は2〜3cmの袋を付けますが、この頃は鶏卵大の袋を付けると言われるジャイアント系が出回っているようです。

また、袋が真っ黒になるブラック系為るものもあるそうですが、管理人は両者ともにまだ写真でしか見たことがありません。

和名をフクロユキノシタといいまして、

”なるほど捕虫葉のフタの部分がユキノシタの葉によく似ているな〜”

と納得しておったのですが、文献を読むと全然違いました(爆)
花の構造がユキノシタ科のものに似ているということで付けられたのだそうです。

とは言いましても、どの部分がどのように、と言う肝心な部分の記載が無く、良く判りません。
さらに調べるとこのユキノシタ科というのは分類学上の一種 吹き溜まりのようなもので科全体に共通する特徴などないそうなのです。
まあ和名の事ですので日本に産するユキノシタの花と似てるって事なんでしょうけどなんだかなあ...
Cephalotus follicularis
◇ 栽培要件の情報収集 ◇
 
セファロタスの栽培要件について、改めて情報収集すると、



<温度>
 耐寒性があり、意外と耐暑性もある。
 自生地は夏期でも25度前後の環境なので 夏場に高温にならないよう注意が必要。
<湿度>
 高湿度を好むが空中湿度を低くしても栽培出来る。
<日照>
 日照を好むが、低日照でも大丈夫。
 夏期は遮光した方がよい。
<容器>
 根は太く縦長に発達するので腰高の鉢を使用した方が成長が良い。
 極度に浅い容器で見事に栽培している事例もある。
<用土>
 生ミズゴケ最強。
 ピート+砂利系の混合用土が自生地と同様で吉。
<腰水>
 コンポストを渇かすのは禁物ですが、腰水をしない方が良い。
 水に漬かっている自生地もある。
<その他> 蒸れには弱い。
 根をいじられるのを嫌うので、植え替えは良くない。
 植え替えした方が株が大きくなる。
 花が咲くと枯れる。
 花を咲かせても問題ない。
 
などと、何だか矛盾するような情報が集まってきました。
このように両極端の情報が出てくる場合は、ただ1点の条件を起点に条件変化を選択していけば栽培出来るようになることが多いです。

Cephalotus follicularis
◇ 栽培要件の結論 ◇   

筆者は以下のように結論づけました。  

前記の各条件の中で矛盾する情報が無いのは「蒸れには弱い」のみです。
  
つまり、栽培環境の構築の絶対条件としては「株が蒸れないようにすること」がポイントで、これ以外の温度・湿度・日照・鉢サイズ・腰水の有無・用土等の条件はさほど重要じゃないと言うか、「株が蒸れないようにすること」を満たすための付帯事項だと言って良いでしょう。

えぇ−高湿度を好むと書いてあるじゃん。 
そう思った方は植物が、株が蒸れるとはどんなものなのかが理解できていないのです。 

「株が蒸れるとは、過剰な空中湿度等の要因により、植物体表面に水分が付着し、その水分が高温で有り続ける状態」   
  
簡単に言うと、極弱火で植物を煮ている状態です。
これを解決するには植物体表面に過剰の水が膜を作らない状態(低湿度栽培)か、水膜の温度が上がらない状態(高湿度栽培)を作ればいいことになります。  

Cephalotus follicularis

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◇  低湿度栽培の要件 ◇  

低湿度栽培の場合、まずは馴化が必要となります。  
市販されているセファロはまずたっぷりの水で育てられていますのでいきなり低湿度にすると枯れてしまいます。また、子株や根が充分に発達していない株は低湿度に移行させるのは難しい様です。秋口に高湿度栽培で充分に根の生長を促した後、春先から低湿度に馴らしていくしかないようです。
  
 <置場>密閉することなく、一般的な室内のようなところ。
 <温度>日中は30℃越えも可。但し夜は30℃以下、25℃以下が望ましい。 
 <湿度>一般的な室内湿度。
 <日照>夏場は遮光。屋内で人工光源の方が良いかも知れない。 
 <容器>株周りは乾き気味、根深いところには水分なので背が高いものが良い。
 <用土>ミズゴケよりピート+砂利系
 <腰水>コンポストを渇かすのは禁物ですが、腰水は浅く。  
 <その他> 成長は若干遅くなる。
  
詳しくはハエトリグサを例に書いたJCPS情報誌の記事がありますのでそちらを参照して下さい

Cephalotus follicularis

ルーツ藤波氏の栽培状況@

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ルーツ藤波氏の栽培状況A
◇ 高湿度栽培の要件 ◇   

高湿度栽培の場合、植物体に付いた水分が暖まらないことが絶対条件となります。
温度管理をして25℃を上廻ることがなければ問題ありません。  
しかし、植物の為にクーラー・エアコンを用いるにはかなり躊躇があります。
  
それを意表をつく着眼点で解決した人が管理人のルーツ藤波氏です。

「植物体に付いた水が暖まるから蒸れる、ならばその水が絶えず新しい水に交換されれば暖まる暇がない。即ち蒸れない。」  

彼の栽培方法は大きめのコンテナにミズゴケに植えた鉢を置き、加湿器で終日ミストを送り込む方式です。

 
盛夏は若干遮光するようですがその他の季節はほぼ全日照で、冬には屋内に取り込むが通常は屋外で栽培なされています。 

この「夏でもバリバリ加湿方法」で見事な栽培しているのです。
管理人は試したことがないのですが、参考にして下さい。

Cephalotus follicularis
◇ 開花=枯れる説について ◇   

【開花=枯れる説】について情報を集めると、  
「好条件では枯れないが枯れる傾向が強い」
ということに集約されました。  
ではどんな風に枯れてしまうのでしょう?


  
【枯れていく状態】について
 @ 花茎は種子が熟すと枯れ込んで、その時に地下茎まで枯れてしまうことが多い。   
 A 大きな株で咲くに任せて放置していたら枯らした事がある。
 B 連なった全株ではなくて花芽の着いた条が枯れてしまったこともある。
 C 花茎が枯れても腋芽が出るので枯れない。  
 D 蕾が上がってきた場合、できる限り早い段階で切除してしまったほうが良く、 かなり花茎が伸びてから切除した場合も危険かもしれません。
  
この5つの観察状態から考えられる結論について<なちさま>が纏めた文章をそのまま載せてみましょう。

"推測ですが開花結実した条は種を落として枯れてしまうが、株全体としては普通は生き残る。 枯れてしまう部分がどのような変化をしているかはわかりませんが、 栽培下ではその枯れ込みが健常な株全体に波及して枯れてしまう場合がある、ということなのかもしれません。"  

大変理解し易い推論です。ではどうしたら枯らさずに済むのでしょう? 
 

【枯らさないための条件】について
 @ 種が熟したのを見計らって花茎を切ると枯らさない済む。
 A 根がしっかりしている物は腋芽を吹いて更新する。
 B 花が咲くのが夏になる場合暑さで弱ることが考えられるので、夏場涼しく過すことが出来れば問題は無い。

さて逆説的に推論をまとめると  

"原産地では開花期である夏場は25℃平均ぐらいであるが、 タダでさえ開花結実にエネルギーを消費している開花期に30℃を度々越す日本では花後の花茎の枯れこみが株に影響し、 力無い株は全体が枯れてしまう。"  
  
ということの様です。

なお、日本では開花しても結実しないと言われます。
大阪のS田君の観察によると、「25℃以上の高温では花粉が死ぬ」。とのことです。
冷房下では結実するそうなのでこれまたご参考に。



Cephalotus follicularis
◇ 効率の良い根伏せ方法 ◇   

セファロは調子よく育つと太さ2〜3mmほどのゴボウのような根が出てきます。  
古い食虫本にはこれを外してミズゴケに伏せておくと発芽してくると書いてありますが確率的に余り良くありません。
  
そこでこんな方法を行ってみました。
株から7〜8cmのゴボウ根を取らずにミズゴケをドーム状に盛った鉢に水平に挿しておきます  
しばらくすると根の途中から発芽して、それが捕虫葉をある程度つけるようになると次の芽が出てきます。
新芽が小さな袋を着け短い根が出たら根から外して下さい。その頃には次の芽が出ています。
筆者はこの方法で本の根から1年で10数株得たことがあります。  
株を付けたまま根を水平にする。これが大事です。



Cephalotus follicularis


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