ムジナモ ( Aldrovanda vesiculosa )栽培
ムジナモ ( Aldrovanda vesiculosa )栽培

 ◆栽培に関するエトセトラ
基本的な栽培法
 
項目として上げながら自分では書かずに、専門家のwebサイトを紹介してお茶を濁すとの暴挙を御許し下され(笑)
 
貉藻栽培録( A Record of Growing Aldrovanda vesiculosa ) 』 
 
ぼよんば氏の運営する、日本で唯一のムジナモ専門サイトです。  
   
管理人も基本に立ち返る時はいつも大変お世話になっております。
  
 
室内栽培(及びペットボトル越冬)
 
今は庭にホッタラカシにしているので行ってないが、以前は室内栽培をしていました。

レシピは
・40cmぐらいのプラ水槽
・底土は腐葉土またはピートモスを5cm、その上に砂または荒木田土と砂の混合(1:1)を5cm。
・水深を10~15cmになるように水(藁の煮出し汁を1/3程混合) 
・近くの綺麗な池の水をコップ2杯 
・オオサンショウモ(サルビニア)2~3塊(写真では石付ウィローモス)
・ミナミヌマエビ、モノアラガイやヒラマキミズマイマイなどを数匹
・窓際の明るい場所か水草用ライト
春から秋まではこれで良いのですが、秋も深まるとムジナモは冬芽に成ろうとします。
中途半端に暖かいと冬芽からまた成長しようとし、寒いとまた冬芽にへを繰り返し、燃え尽きて枯れることが多いです。
ガックリすること数年、「ペットボトルで冬越しが出来るよ」と聞き試したところドンピシャ。
  
2Lのペットボトルに水槽の水を1Lほど入れ、冬芽に成ろうとするムジナモを5芽くらい入れます。
1ヶ月ほど、明るいが直射日光が当たらず、加温もしない場所に置きます。 
冬芽になったら、冷暗所(涼しくて暗い場所)に仕舞い、春になったら取り出し水槽に入れればOK。
是非、お試しを。
二酸化炭素添加栽培

二酸化炭素の強制添加はムジナモの光合成量が増え、弱いアオミドロの抑制作用があると言えるでしょう。実際にムジナモの栽培容器に二酸化炭素を添加してみると次の3点が確認出来ます。
 1)節間が詰まり、葉数が多くなる。
 2)分岐が多くなる。
 3)アオミドロの繁茂を抑制出来る

輪生する葉の節数を成長度としてカウントすると無添加時の10倍以上の増殖率となりました。
デメリットも書かなければいけません。酸素の20倍もの溶解度がある二酸化炭素を過剰に添加すると水中への酸素の溶け込める量が減り、エビや小魚・貝などが呼吸困難になるため共存させられません。添加量が多すぎると嫌気性バクテリアばかりが増え、水が腐敗してくる場合もあり定期的な水替えを要する事もあります。
 
二酸化炭素強制添加の方法はアクア関係のHPを見れば色々載っているので自分に合った物を選択すれば良いでしょう。ちなみに私は5月中旬から9月の終わりまで発酵式で添加しています。
藁の使用のメリット・デメリット

草本類である稲ワラは水中での腐食生成物としての有機酸の内、植物の栄養となるフミン酸やフルボン酸を多く出ます。それに加えて栽培容器に植え込んだアシ・マコモ・ガマなどの共存植物やワラに付いている枯草菌などの働きより栽培水の弱酸性が保たれアオミドロの発生を最小限に抑えます。
ところが雨や灌水不足などの要因により不安定になった栽培水が一旦アルカリに傾くと、アオミドロ抑制物質たるタンニン酸の発生が少ない稲ワラではアオミドロの猛威を押さえ込めないこととなります。

また稲ワラは水中で腐りやすく腐食ならぬ腐敗が発生して水を痛める要因となります。
エアレーションを掛け溶存酸素を増やせば防げますが、水面が常に揺れるのでムジナモにとっては余り良い環境では無いようです。

さらには、家の近くに田んぼがある方は良くご存知でしょうが、田んぼに肥料が撒かれるとアオミドロがばんばん繁殖します。一般的に入手しやすい水稲のワラはアオミドロの胞子まみれであり、それを使えばアオミドロだらけになるのは当然です。

稲ワラを使用するに当たっては煮沸するか、湯通しをしてアオミドロの胞子を殲滅してから利用されることをお勧めします。
煮沸した場合はその煮出し汁だけを用いることをお勧めします。
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