こんな違いがある
さて形態的に大きな差が見いだせない
U. exoleta と
U. gippa ではありますが生態的には大いなる差があります。
一つは繁殖力。
成長力と言い換えても良いと思いますが、
U. exoleta は悲しいほど増えません。
同量の植物体を瓶に入れ水を張り、1年放置した場合、10倍ぐらいの差が出ます。
もう一つは浮遊状態と沈水状態における差であります。
U. exoleta と
U. gippa は自らが絡まりあってマット状になり水面近くに浮かぶ浮遊状態と浅い水底の泥に塗れている沈水状態の2つの生活様式が見られます。
前述の繁殖力の一部とも言えますが
U. exoleta は水底の泥に塗れている沈水状態時の方が浮遊状態の時よりも成長が良く、花茎を上げる率も向上し、花も大きめになります。
また、冬期を乗り越える率も沈水状態の方が高く、総じて沈水状態が
U. exoleta にとって最適な生育環境なのでしょう。
ただ単に繁殖力旺盛な
U. gippa では目立たない生育環境の善し悪しが
U. exoleta ではハッキリしているだけかも知れませんが、少々妄想を逞しくすると水棲タヌキモから湿地性ミミカキグサへ変化を繋ぐミッシングリングかも知れません。
結論として種、亜種として分化するまで至ってはいませんが地方変異程度の違いがあると思っています。