U. caerulea
(ホザキノミミカキグサ)
U. caerulea (ホザキノミミカキグサ)

学  名Utricularia caerulea
命 名 等*****
和 名 等ホザキノミミカキグサ /U.セルレア
分  布日本:本州の宮城県以南 /東南アジア等
栽 培 法半陸生種
栽培難度★★☆☆☆
増 殖 法播種・葉挿し・株別れ
特記事項*****

 ◆あやしいコラム

和名の由来

 暖地系のウトリで日本では宮城県以西に分布します。
 8~10月にかけて紅紫色の花を咲かせ、花後に球形の果実を付けます。
 紫桃色の花には白い3本の短いラインがあり、日本のミミカキグサ類では段違いに花茎が伸びて、そこに花を咲かせる様子が穂咲き(ホザキ)と名付けられた由縁となります。


栽培についてのetc.

 ホザキノミミカキグサを栽培するに当たっての注意点と言うか、欠点を書きますと、
 
 1)比較的乾いた用土を好む
 ミミカキやムラサキと比較しての話なのですが、腰水水位が用土表面までずっと浸っているようでは良い生育を示しません。
 
 2)雑草化しやすい。
 ホザキノの名の通り、穂状に咲く様な状態には中々成りませんが、特に生育条件を整えなくても花茎が長く伸び、1本の花茎に複数の花が咲いてくれます。
 
 1本の花茎の花が一度に咲くのではなく下から順に逐次咲いて行きます。この性質は観賞面から見ると優良で長く花が楽しめるのですが、種の収穫の面から見ると困った事に成ります。
 すなわち、果実の完熟がバラバラなので長い花茎と相まって周辺に種子を飛び散らす事になるのです。
 結果、雑草化への一途を辿ることとなります。

白花変異品種 
 
 海外には黄花の品種があるようですが、日本の湿地でも希に白花変異品種を見つけることがあり、和名・学名が付けられています。
 
 和名:シロバナホザキノミミカキグサ
 学名:Utricularia caerulea f. leucantha
 
 ほとんど流通も無く、私にとって幻の花でしたが、友人からいただき栽培することが出来ました。
 透明感のある純白の美しい花です。
 
 通常白花種は普通種に比べひ弱(耐日照性が劣る等)になり勝ちなのですが、ホザキノミミカキグサはそんなことはなく、管理人のところでは基本種より優勢で駆逐する勢いで日照ガンガンで増えています。


 また不思議なモノで手にいれた途端、とある自生地で野のシロバナホザキを見ることが出来ました。やはり神々しい美しさでした。
ホザキノミミカキグサの矮小化個体

ヒメと間違わないでね!矮小化個体 
  
 秋に自生地に行くと、1輪咲きで花も小さく花茎も短いホザキノミミカキグサの矮小化個体を見かけることがあります。
 花の色も濃いことが多く観賞性が高いのですが、遺伝的な要素では無いらしく、種子を蒔くと大小さまざまな個体が出来ます。
 
 同時期に同じ湿地で矮小化してないホザキノミミカキを見てしまう所為か、湿地性植物の専門家でもこれをヒメミミカキグサと見誤ることが多いそうです。
 
 ヒメの実物を見るまでは私も「もしかしたら・・・」の思いが捨て切れませんでしたが、実際のヒメは想像を遙かに超えた小ささで確実に区別が付きます。。
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