Drosera indica
(ナガバノイシモチソウ)

<※Red-flower: D. toyoakensis >
<※White-flower: D. makinoi >
Drosera indica (ナガバノイシモチソウ)

<※Red-flower: D. toyoakensis >
<※White-flower: D. makinoi >
RED-flower "TOYOAKE"

学  名Drosera indica
命 名 等*****
和 名 等ナガバノイシモチソウ /D. インディカ
分  布日本(関東及び東海地方・九州の限られた場所に分布)、アジア・アフリカ・オセアニア
栽 培 法その他ドロセラ
栽培難度★★★☆☆
増 殖 法播種
特記事項日本の屋外で栽培する場合は一年草扱い

 ◆あやしいコラム
RED-flower "TOYOAKE"

繊細な草姿がとても美しいドロセラ

日本産の食虫植物の中で最も大型になりますが、一年草です。
繊細な草姿はとても美しいのですが、生育期間が短く鑑賞性はやや劣ります。
世界的に見ると分布域の広いドロセラでありますが、日本での分布は局所的で、オーストラリア等から渡り鳥等に運ばれた種子により分布域を広がったと考えられています。
我が国では茨城県、栃木県、千葉県、愛知県、宮崎県に自生しています。記録上は三重県、静岡県にも分布が認められますが、現在その自生は確認されていません。
赤花と白花の自生が見られますが、赤花は愛知県豊明市・豊橋市の一部のみに自生し、他の地域は白花ばかりです。

オーストラリアにはピンク・黄色・青などのカラフルな花が咲くものあり、冬の寒さが厳しい我が国とは違い多年草となっています。

WHITE-flower "TUKUBA"

管理人の心を折るドロセラ

本邦産ドロセラ大好き人間の管理人であるが、ナガバノイシモチソウの栽培は下手であります。
過去においては管理人の居住する静岡県にても分布しており、隣県の愛知県には自生しているのですが何故か巧く栽培出来ない。

いや正確にはサラセニアの鉢に種子を蒔いておくと勝手に生育するのですが、単独で栽培しようと色々工夫しても巧く行きません。
繰り返される敗北に心を折られつつある今日この頃・・・

WHITE-flower "TUKUBA"

アカバナナガバノイシモチソウの自生地

日本におけるアカバナナガバノイシモチソウの自生地は愛知県の豊明市と豊橋市にしかありません。 どちらもテニスコート数面分で、水の手が切れてポンプアップで維持しています。

完全に保護地とされているので、一般人は年に数回の公開日にしか見ることが出来ません。
豊明市と豊橋市のホームページを5月末ぐらいからチェックして日程を確認してください。

なお、愛知県には白花の自生する「壱町田湿地」(武豊町)もあり、公開日が重なっていることも多いので1日で紅白見ることも可能です。
RED-flower "TOYOAKE"

別種 or 同種? 日本産ナガバノイシモチソウ

先年(2010)に日本産のナガバノイシモチソウの白花・赤花は別種であるとの論文が発表され両種に新たな学名が付けられました。
従来からのD. indicaから、

Drosera toyoakensis M.Watanabe
 (アカバナナガバノイシモチソウ)
Drosera makinoi Masami
 (シロバナナガバノイシモチソウ)

にへとの提唱です。
しかし、管理人はその意見に充分納得出来ず、本サイトでは D. indica のままとしています。

確かにシロバナとアカバナのナガバノイシモチソウは交配しないという特徴があります。と言うことで種としての分化が始まりつつあると言えましょう。

しかし別種とするには早すぎると思うのです。
写真はウチで栽培しているアカバナから出た雄しべが変形した花で、このようなモノが時々出る。
つまり D. indica は未だ大きな変異幅を含んだ種なのです。

発表論文そのものを見たわけでは無いので管理人の論表が間違っている可能性も大きいのですが、発表された記事を読む限りは日本産のアカバナ種・シロバナ種とインド産のシロバナ種の比較しかしていないように思われます。
もちろん D. indica の名の通りこの種のタイプ標本はインドで採取されたものではありますが、インドは Drosera indica complex(D.インディカ複合種群)の分布としては偏狭で、冒頭のコメントにもあるようにオーストラリアには様々なタイプの D. indica があります。
が、それらを考慮が充分では無い気がするのです。

別種との結論は早計、精々亜種扱いぐらいか、地方変異程度だと思います。


ところが・・・2014年になって Drosera indica complex(D.インディカ複合種群)の見直しが行われ、オーストラリアの D. indica の一部が D. serpens なったとのことです。

う~ん、益々混沌してきた。

救仁郷さんのあやしげな世界
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