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温帯常緑系ドロセラグループの栽培法

 コモウセンゴケ (D. spatulata) ・ アフリカナガバノモウセンゴケ (D. capensis) を代表格とする冬眠・ 夏眠などをしない常緑型のドロセラグループです。

 温帯常緑系と分類しましたが、気候区分としては地中海性気候や熱帯に区分される地域に自生するドロセラをも含み、管理人の居住地に於いて過度な温度管理をしなくても栽培出来るドロセラをピックアップしたものです。

 多くは普及種と呼ばれ、マニアには駄物扱いされる傾向がありますが、 バリエーションの多彩さなど奥深い種類も多数存在します。

 寒風からの保護程度の無加温でも栽培できますが、もともと熱帯性のドロセラの内の耐寒性に富むものが温帯に自生していると考えて良いので、凍らない程度に保護する必要があり、10〜15℃ぐらいに加温すると通年生長すると思います。
 温帯常緑系ドロセラは丈夫な種類が多く、基本的な栽培方法によってある程度維持することが可能なグループです。
 しかし基本的な栽培方法が知られていない為で消耗品となっている現状は嘆かわしい話です。


 温帯常緑系ドロセラグループの基本的な栽培方法
(a)栽培環境(温室等)

 温室やフレーム・ワーディンケースなど用意しなくても栽培可能でありますが、最低限、水切れ・湿度不足を起こさない様な工夫が必要です。
 特に入門者は、より失敗しにくいように栽培用の容器を用意することをお勧めします。小規模の場合にはプラやガラスの水槽を、やや多めに栽培する人は衣装ケースなどが便利です。
 なお、容器には専用のフタ、またはビニール等でフタが出来るようにすることが、冬季の空中湿度の保持のため必要です。


(b)植え込み容器(鉢等)

 3号鉢ぐらいが使い勝手が宜しいと思います。材質は素焼鉢でも駄温鉢でもプラでもOK。
 根は用土に固定する程度の役割しかないので普通鉢でも平鉢でもかまいません。
 深鉢は特別な理由が無い限りは用いません。


(c)植え込み材料(用土等)

 入門者の方は取り敢えず市販の乾燥ミズゴケを水で戻したものを使用するのがベターです。
 管理人は乾燥ミズゴケも使用しますが、生ミズゴケベースの用土とココピート主体の用土も用いています。
 詳しくはコラム:『自己満足の用土作り』に記載します。


(d)日常管理
 ケース内にミズゴケでドロセラを植えた鉢を並べ、ケースの底から水を2〜3cm張り、鉢を漬ける様にします。これを「鉢を腰水(こしみず)にする」といいます。
 水切れを起こさないように蒸発分は常に足し水をして下さい。
 ケースは屋外であれば日当たり・通風ともに良い場所に、屋内であれば明るい窓際におきます。
 
 屋外栽培では初夏〜秋にかけてはケースにフタはしません。
 なお梅雨時には雨水でケース内の鉢が水没しない様に気を付けて下さい。
 また、夏場は温度上昇に寄って蒸れないように50%ぐらい遮光した方が良いでしょう。
 晩秋〜初春にかけては寒風から保護するためにケースのフタは締めて下さい。
 急激な温度上昇への対策として割り箸を挟んでおくと安心です。
 
 屋内栽培ではエアコンの使用状況に寄って管理が変わります。
 エアコンを使われているときは冷暖房に係わらずケースのフタを閉めておかないと植物が傷みます。
 使用されない方は日中の温度上昇に注意が必要です。


(e)冬の管理

 冒頭に記した通り無加温で栽培できますが、冬季は空気が乾燥しているのでそれについては保護をする必要があります。
 温度については言えば、筆者の居住する比較的温暖な静岡県袋井市でも凍らない程度では充分とは言えず、10〜15℃ぐらいに加温した方が通年生長すると思います。

温帯常緑系ドロセラグループの基本的な栽培方法

温帯常緑系ドロセラグループのステップアップ

 原則、管理人が栽培したことがあるドロセラ、または関心が深いドロセラを中心に解説しています。
 違うルートがありましたら情報としてお教えください。

(a)入門編 
 
 当サイトの「初めて目にする人の為のモウセンゴケ類 栽培入門」で紹介した下記2種が温帯常緑系ドロセラの入門種となります。
 この2種は冬枯れしても根が残り、春に芽吹ので全くの無加温で栽培できます。  

 
 ・ アフリカナガバノモウセンゴケ ( D. capensis )
 ・ ヨツマタモウセンゴケ ( D. binata var dichotoma )
 
 正確にはアフリカナガバノモウセンゴケは「地中海性気候」の南アフリカ、ヨツマタモウセンゴケは「熱帯地方」のオセアニアに自生しますので、温帯常緑系に分類するのは些か忸怩たるものがありますが、この2種すら枯れない程度に維持できなければ、食虫植物栽培の根本を理解していないので他の温帯常緑系ドロセラを栽培することすら出来ません。
 「初めて目にする人の為のモウセンゴケ類 栽培入門」のページにに立ち戻り、熟読をお勧めします。


(b)初級編 
 
 下記4種は冬枯れしたら復活しません。
 関東以西太平洋岸なら無加温で栽培できますが、極端に低温が続いたりすると枯れてしまうこともあります。
 栽培容器(水槽や衣装ケースなど)を準備し、冬の保護をしてあげましょう。


 ・ コモウセンゴケ ( D. spatulata )
 ・ トウカイコモウセンゴケ ( D. tokaiensis )
 ・ D.アリシアエ ( D. aliciae )
 ・ D.ハミルトニー ( D. hamiltonii )

 コモウセンゴケとトウカイコモウセンゴケは日本に自生しており主として関東以西に分布しますが、コモウセンゴケは宮城県にも自生の記録があるほどでかなりの低温に耐えます。
 
 D.アリシアエは南アフリカ、D.ハミルトニーはオーストラリアに自生します。

(c)中級編 

 中級種からは確実に10〜15℃ぐらいの加温する必要があります。
 加温設備が設けられない方は、冬季に屋内栽培をして下さい。保証はしませんが


 ・ クルマバモウセンゴケ ( D. burmanni )
 ・ アフリカナガバノモウセンゴケ ( D. capensis )
 ・ ヨツマタモウセンゴケ ( D. binata var dichotoma )

 アフリカナガバノモウセンゴケとヨツマタモウセンゴケがまたいるとお思いのアナタしばしお待ちを。

 クルマバモウセンゴケは加温しないとまず枯れます。
 スペシャルテクニックを持つ栽培家の中には一年草扱いで維持している人もいますが、そんな神の技は参考になりません。

 さて、問題のアフリカナガバノモウセンゴケとヨツマタモウセンゴケでありますが、冬枯れして残った根から春に芽吹かせる栽培は自然に根伏せという増殖法を行っているだけで、本来の姿とは言えません。
 見栄えのする立派な状態、いわゆる満作にするには加温する必要があります。
 冬枯れ再出発株しか見たことがない方は満作のアフリカナガバノモウセンゴケを見ると驚くでしょう。是非加温して栽培してみて下さい。
 またこの2種は園芸的にも選別されており、数多くのバリエーションが存在します。

(d)上級(マニア)編

 上級(マニア)としてますが、クルマバモウセンゴケの栽培難度との差はほとんどありません。
 これらは入手難度が高かったり、コモウセンゴケと見た目どこが違うのかを理解しなければならない点が一般向けでないドロセラとなります。


 ・ D.バーケアナ ( D. burkeana )
 ・ D.カピラリス ( D. capillaris )
 ・ D.ジャコビー ( D. jocoby )
 ・ D.モンタナ ( D. montana )
 ・ D.オブラセンオラタ( D. oblanceolata )
 ・ D.セッシフォリア ( D. sessilifolia )
温帯常緑系ドロセラグループのステップアップ


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